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「え? 別れた?」
「ああ……」
俺は力なく頷く。月島は、はあー、と感心したように呟く。
「お前が別れを切り出すとはねぇ」
「勢いで言ってしまった…」
ずーんと沈む俺とは違い、けらけらと笑う月島。
「それで、何も持たず飛び出してきた、と」
「そう。帰ることもできないし、とりあえず月島のところへ行こうと思って…」
「なるほどね。ま、俺はどんだけ居てくれてもいいよ」
「月島…」
じーん、と感動する。助かった。こんなこと頼めるの月島くらいしかいないから。
「でも荷物とか取りに帰れよ。――って、鍵もないんだっけ?」
「はっ…! そうだ、鍵がない!」
「ついでに言えば財布もない!」俺は今更ながら頭を抱えた。別れたことでうだうだ考えていたが、それ以上に様々な問題があることに気付いてしまった。
「ど、どうしよう…」
「……ほんとだな」
流石に月島の顔も引き攣っていた。
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