10

 それから一週間が経過したが、相変わらず黛は浮気し、白川は何かと俺に関わってきた。たかが一週間。されど一週間。その間に黛が前より好きとは思えなくなっていた。このままではだめだ。

『一度別れてみたら?』

 月島に相談してみると、そんな言葉が返ってきた。一度別れてみるかぁ……と考えたところで、いや待てと考えを払う。

「別れたら、ニ度と付き合って貰えないだろ」

 粘って付き合って貰ったんだから、黛とは絶対それでもう終わってしまう。

『もしかしたらそれで自分の気持ちを自覚するとかあるかもしれないだろ』
「……あると思うか?」

 静かに問うと、月島は黙ってしまった。

『…まあ、でも白川に嫉妬したんだろ? あいつ。俺のことも睨んでくる時あるし、なんだかんだ別れたくないと思ってんじゃねえ?』
「嫉妬…というか、あれは……。……って、え? 睨んでくるって、何それ。初耳なんだけど」
『そりゃ、言ってねえし』

 『ちなみに俺は全然気にしてねえよ』月島は笑い混じりに口にした。それにほっとしつつ、月島の言葉を頭の中で再生する。……本当に可能性があるのだろうか? 

[ prev / next ]



[back]