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結局白川の部屋でだらだらと過ごしてしまい、家に帰り着いたのは二十時だった。家の電気は点いており、黛が帰っていることが分かる。もしかしてまた女を連れ込んでいるんじゃないかと不安になっていたが、黛のものだけだった。ほ、と息を吐く。良かった。
玄関に突っ立っていると突然影ができて、俺は顔を上げた。黛が壁に肩を預け、俺をじっと見下ろしていた。
「ま、黛……」
「……どこ行ってた」
「え、ええと……友達の家に」
白川の家とは言えなかった。疚しい気持ちがあろうがなかろうが、俺のことを好きと言っている相手だ。しかも黛とは仲が悪いのはもう分かっているので、やっぱり言えない。
「……誰ん家だよ」
ぎろりと睨まれ、俺は俯く。月島と言おうと口を開く。
「し、白川だよ」
しかし俺の馬鹿正直な口が本当のことを言ってしまった。
「白川?」
「この前黛と言い争ったやつ……というかなんというか」
覚えていないらしい黛に白川のことを教えると、ぴくりと黛の眉が動く。
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