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 ファーストフード店に入り、白川に今の状況を説明すると、白川は驚きの声を上げた。

「えっ、今月島くんの家にいるの?」
「あー…まあ、な。黛と一緒にいることはできないだろ。実家はここから距離あるし、良いとこ見つかるまで月島のとこに世話になろうと思って」
「そっか……でも、僕を頼ってくれたら良かったのに。というか、僕のとこにおいでよ」
「えっ、や、でも」

 「迷惑になるし……」ボソボソと呟くと、白川はむすりと口を尖らせる。

「全然迷惑じゃないし、…月島くんと仲が良いのは知ってるけど、僕を頼ってほしいなぁ。嫉妬しちゃう」

 俺は目を丸くして白川を見る。大人びている白川の子どもみたいな表情。初めて見た。思わずへらへらとした笑みが出てしまった。

「じゃあ、えーと、お世話になろうかな」
「うん、僕ずっと黛くんが羨ましかったから、嬉しいな。狭くて申し訳ないけど…」
「そこまで狭くないだろ。暮らせられれば良いし」

 白川の部屋を思い出すが、十分暮らせるスペースはある。黛みたいに散らかさないだろうし、そういう意味で今までより楽だろう。
 こうして、俺は白川の家で暮らすことが決定した。

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