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 映画館に着くと、券を発券してポップコーンと飲み物を購入。俺は映画館で観る時はポップコーンを食べる派である。白川が奢ると言い出したが、そういうのは好きではないので、気持ちだけ受け取った。年上とかならともかく、同い年だし。
 少し残念そうだったが、白川は直ぐに引くと、自分の分も購入した。

「あー、楽しみだ」

 俺は券を見つめ、ドキドキと胸を高まらせる。久々にホラー映画を映画館で観る。映画館と家で観るのは全然違うからな。
 白川はにこりと笑う。

「本当に好きなんだね」
「うん」
「僕も色々観てみようかな」
「じゃあ俺、オススメの映画教えるわ」
「本当? ありがとう」

 そんな話をしながらスクリーンに入る。指定された席に座って上映をわくわくしながら待った。










 ふ、と館内が明るくなった。俺はほう、と息を吐く。やばい。面白かった。期待以上だ。俺はちらりと白川の様子を窺う。白川は先程の俺と同じように真っ黒な画面を見つめていた。

「白川」
「……凄かった」

 俺は嬉しくなって、うんうんと大きく頷く。

「凄かったな!」
「うん…驚いた」

 白川は漸く画面から視線を外して、俺に顔を向ける。

「結構怖かったね」
「演出が怖がらせにきてたよな」

 映画の内容を思い出しながら俺は拳を握って語る。それは白川がとりあえず出ようかと口にするまで続いた。


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