俺達の関係

美形×平凡/三角関係/それぞれのEDあり/大学生







「…お前さ、うざいんだけど」

 誰とも分からない女に腕を組まれた男が俺に発した言葉。

「やだぁ、きっつーい。かわいそ」

 女はくすくすと笑って俺を見る。優越感に浸った頭の悪そうな女。そんな女に負けた俺は、――相変わらず俺を睨んでいる男の恋人である。








 男の名前は黛千秋という。背が高くモデル顔負けの美形で、俺の通う学校では一番人気の男だった。しかし性格は難ありというか、口は悪いし女遊びは激しかった。そんな男だけど、俺は黛のことを好きになってしまった。
 黛との出会いは四年前――俺が高一の時に遡る。俺は元々ゲイで、それを知ったクラスメイトに脅されていた。その時だ。屋上でサボっていた黛が現れ、男を一瞬で沈めた。勿論、黛としては俺を助ける意図はなかった。ただ眠りを邪魔されたから苛立っただけだろう。でも、それでも俺は嬉しかったし、あまりにも格好良い黛に惚れたのだ。
 それから黛に告白し、最初はキモいだの消えろだの散々言われたが、なんとか付き合うことができた。それなのに、黛は変わらない。相変わらず俺のことなんてなんとも思っちゃいないんだ。

「…ね、大丈夫?」
「……っえ」

 黛にうざいと言われた後、行きつけのゲイバーに行った俺は、話しかけられてはっとする。

「泣きそうだけど」
「…だ、大丈夫です」

優男風の栗色の髪をした男は心配そうに俺を見る。俺はどきりとした。黛に負けないくらいイケメンだ。しかもここにいるってことは…この人もゲイである可能性が高い。

「大丈夫には見えないけどな。僕が話を聞くけど、どうかな?」
「…ええと、あなたは」
「僕は白川。――実はきみと同じ学科なんだけど」
「え、ええ! そうなんだ…」

 こんなイケメンなら知らないはずは……。訝しげに白川という男を見ると、苦笑が返ってきた。

「きみは黛くんしか興味なさそうだったし」
「う……お、俺と黛のこと知ってるのか?」
「ゲイから見たらすぐわかるよ」



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