▼ 31
「付き合……は?」
「だから、好き合ってるなら付き合ってもいいじゃん。なあ」
「別にいいと思うけど」
いやいやいや、おかしい。山本も何を言ってるんだ。何が別にいいけどなんだ。
「好きなんだろ?」
山本は無表情でさらっととんでもないことを言ってくる。
「す、好きって……」
「な、かずひろー付き合ってー」
ハジメは俺の服を引っ張ってなあなあと言ってくる。
「どういう意味で言ってるんだ、お前は…」
「どういう意味って、そのままの意味だけど?」
ハジメは俺の言葉が意味が分からないというように、不思議そうに首を傾げる。
「お前、俺男……」
「だから、別に男でもいいだろ?」
「……ハジメって、同性愛者なのか?」
眉を顰めて訊ねると、ハジメは更に首を傾げた。
「どーせーあいしゃ?」
なんだそれ、とハジメは口にした。
[ prev / next ]
[back]