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「は……?」
意味が分からず眉を顰めると、山本の顔はぱっと無表情に戻る。
「なんで手伝うなんてこと…」
「あんた観察すんの面白いし」
「お、面白い?」
ひくりと口が引き攣る。面白いってなんだよ。っていうか、ハジメが見えるかどうかも分からないし。
「……いい。戻るぞ」
「ふーん」
山本の隣を通りすぎる。山本は俺の背中に声をかけてきた。
「俺、妖怪の類いも見えるけど」
足が止まる。思わず立ち止まって振り向けば、山本は小さく笑みを浮かべた。
「なるほど。ハジメは妖怪ね」
「――本当に見えるのか?」
「見えるよ。ま、あれが本当に妖怪っていうのかはよく知らねーけどな」
「……例えば一つ目とか」
「ああ、そういうの」
山本はこくりと頷く。……ハジメは自分が見えるやつに会ったことがないって言ってたが、やっぱり俺だけじゃなくて、いるんだ。見えるやつが。
「どう? がむしゃらに探すよりいーと思うけど」
俺はごくりと唾を飲み込んだ。そして、目を逸らす。
「……分かった」
実際一人では見つけられていない。俺は仕方なく頷いた。
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