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「や、ちょっと探し物してて。…これで全員?」
誤魔化し、話を逸らすと千草は頷いた。
「合コン相手とは駅前のファミレスで落ち合うことになってるから」
「了解」
「で、この金髪が山本直、黒髪が先島裕也」
「ども」
「よろしく」
金髪の少しチャラいやつと、真面目そうな黒髪の男。俺はよろしくと返して、自分の名前を口にした。
「近藤和宏です」
「ん、じゃあ自己紹介もしたことだし行くか」
千草はにっと笑うと、歩き始める。俺たちもそれに続く。すると、先島が話しかけてきた。
「近藤くんは今日千草に無理矢理メンバーに入れられた感じ?」
「え。……まあ。なんで分かった?」
もしかして先島もそうなんだろうか。がつがつしていない優男っぽいし、来るイメージではない。
「なんだか乗り気じゃない顔してるから」
そんなあからさまに顔に出ていたのか。俺はぱっと顔を押さえる。こんな顔で行ったら、女性に失礼かもしれない。
「まあ僕もだけどね」
先島は苦笑する。…ほっと肩の力が抜けた。知らずうちに肩に力が入っていたようだ。
「っていうか、乗り気なのは千草だけだと思う」
そう言われて、俺は千草と話している山本を見る。今どきの若者って感じだ。モテそうだし、わざわざこういうのに来る必要なさそう。じっと見ていたからか、山本の視線がこっちに向く。その瞬間、俺はぱっと目をそらした。
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