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「なあ、お前らってどういうの食べるの?」
夕食後。部屋に戻り、俺は早速さきほどの疑問をぶつける。何という答えが返ってくるのか……怖くもあるけど、正直好奇心もある。何を食べるんだろうか、こいつらって。
「おれら?」
「うん」
「おれらは食おうと思ったら何でも食えるぞ」
例えば――とハジメがゴミ箱の中のレシートを拾う。ハジメはにいっと笑って、それを口に含んだ。…なんでも食べられるって、そういう食べ物じゃないものまで入るのか。いや、まあ俺だってそれ食べようと思えば食べられるけど。食べ物とは認識してないし…。
「……うげえ、不味い」
ハジメは鋭い歯の中から真っ赤な舌をべろりと出す。
「まあこういうのはおれみたいなのじゃなくて、ゴミを主食にしてるやつらが食べるもんだけど」
ぱっと下水道にいそうなジメジメとした生き物が俺の頭に浮かぶ。なるほど、種族的なものもあるらしい。
「ちなみにおれたちは人間は主食じゃないけど――」
「……え」
たらりと汗が流れる。
「人間が主食のやつとかって、いるのか」
「そりゃ、いるよ。なんかいきなり人が消えたとかって、そういう話、ここにはあるんじゃねーの?」
「噂で聞いたことだけど」ハジメは我がもの顔でベッドに座りながら言った。……神隠し、みたいな迷信の話だろうか。
「お前、結構目つけられやすいのによく生きてたよな」
ケラケラと笑うハジメ。…確かに、と俺は顔を引き攣らせた。
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