▼ 23
さて、問題は、いつ渡すかである。 学校に持っていって渡すのもちょっとどうかと思うし、今から持って行くか……?
そうだ、あのストラップ。一度家に帰ってから、ガチャガチャをして、ストラップも一緒に渡そう。前は断られたが、あの時より会長はあのゲームにハマっているはず。
「よしっ」
俺はずしりと重い花を抱え、にいっと笑った。
『今から会長の部屋に伺っても良いでしょうか?』
そういえば、会長の都合のことを考えていなかった。ガチャガチャをした後、慌てて会長に連絡する。今忙しいかもしれない。今のうちに聞いておこう。
『どーぞ』
ほっと息を吐く。俺は立ち上がると、駄菓子屋のおばあちゃんに笑顔で手を振って、学校に向かった。
周りを良く確認し、会長の部屋のベルを押す。
「おう、来たか」
会長がドアを全開にし、俺を促す。俺はお辞儀をして、部屋に入る。バタンと後ろでドアの閉まる音がして、どきりとする。――なんだか、緊張してきた。
[ prev / next ]
[back]