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 さて、問題は、いつ渡すかである。 学校に持っていって渡すのもちょっとどうかと思うし、今から持って行くか……?
 そうだ、あのストラップ。一度家に帰ってから、ガチャガチャをして、ストラップも一緒に渡そう。前は断られたが、あの時より会長はあのゲームにハマっているはず。

「よしっ」

 俺はずしりと重い花を抱え、にいっと笑った。






『今から会長の部屋に伺っても良いでしょうか?』

 そういえば、会長の都合のことを考えていなかった。ガチャガチャをした後、慌てて会長に連絡する。今忙しいかもしれない。今のうちに聞いておこう。

『どーぞ』

 ほっと息を吐く。俺は立ち上がると、駄菓子屋のおばあちゃんに笑顔で手を振って、学校に向かった。





 周りを良く確認し、会長の部屋のベルを押す。

「おう、来たか」

 会長がドアを全開にし、俺を促す。俺はお辞儀をして、部屋に入る。バタンと後ろでドアの閉まる音がして、どきりとする。――なんだか、緊張してきた。

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