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「ん? あのストラップ外したの?」
高橋が目を丸くして問うてくる。俺は何のことだと高橋に首を傾げる。
「スマホにつけてたやつ」
「え? 外してないけど――って、あああああ!」
俺はスマホを取り出してほらと見せようとして、ストラップがないことに気がつく。「マジックでGO!」のストラップがなくなっている。俺はショックで声が出なかった。あのキャラはガチャガチャで回しまくって、唯一出たやつなんだ。レアキャラなんだ。
「嘘だ……」
「どっかで落としたとか」
「どこだろ……職員室かな」
俺が行った場所といえば、今さっき行った職員室くらいだ。朝はまだついていたし、移動教室もない。
「探してくる! まだ時間あるよな?」
「あと五分ある」
「行ってくる!」
俺は立ち上がると、慌てて教室を出ると再び職員室へ向かった。
「その様子だと、見つからなかったみたいだな」
教室へ戻った俺は、机に伏す。そう。なかったのだ。あれからまだそんなに経っていないはずなのに、何故……。
「誰かに拾われたんじゃね?」
「誰かって……、あ」
俺は会長の顔を思い出す。まさか……。会長がもし拾ったとしたら、……絶対捨てられる。
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