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 嬉しくない出会いがあった翌日。俺は欠伸をしながら家を出た。基本的に寮で暮らす人が多いのだが、家が近いので、俺は家から通っている。まあだから遅刻ばっかするんだけど。
 昨日は運が悪かった。でももうこんなことはないだろう。俺は誰かに言ったりしないし、あの場所にはもう近寄ったりしない。

「眠すぎる……。でも今日は遅刻したらやばい…急がないと…」

 と、言いつつ頭がフラフラする。なんで毎日こい眠いかと言うと、今オンラインゲームにハマっていて、夜遅くまでやっているからだ。
 俺はもう一度欠伸をしてから、学校へと向かった。







「今日何回目だと思ってる?」
「や、あの……そのぉ。ちょっと道端で寝てて…」
「え? 何? 聞こえないよ」
「すみませんでした」

 職員室で俺は頭を下げる。周りの教師は最早常連になった俺にまたかと声をかけてきたり、笑ってきたりした――中に、嫌な姿を見つけてしまった。しかも目が合ってしまった。

「あ、小田原浩樹」

 しかも声をかけられてしまった。

「ん? 小田原くん、山渕くんと知り合いなの?」
「えっ、いやあの」

 とんでもない。いや知り合いと言えばそうなんだけど昨日初めて会ったばかりですから。

「なんだお前遅刻したのか」

 うわ。近づいてきた。そこですかさず担任が俺が遅刻常習犯であることを会長にバラした。「小田原くんは毎日のように遅刻してるよ」

「昨日の雑用係でも懲りてないようだし、どうしようかな」
「いやあ、あの」
「雑用? ああ、なるほど」

 昨日のことを思い出しているんだろう。会長は俺を馬鹿にしたように笑った。

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