15

「はぁ……」

 京はデスクに頬杖をつきながら溜息を吐いた。ちらりと時計を見ると、午後七時を指していた。

「そろそろ行きますか」

 静貴がPCを閉じる。それを聞いて各々帰る準備を始めた。

「腹減った…」

 しょぼくれた顔で自分の腹を押さえるのは風汰である。風莉はそれに同意するように頷いた。対して遼や星矢は特に腹を空かせた様子ではなく、淡々と荷物を纏めている。

「風汰ぁ、何食べる?」
「牛丼」
「げっ、同じのにしようと思ったけどやめよ」

 風汰の答えに顔を顰める風莉。彼は自分のイメージを崩してしまう食べ物は食べたくないのである。

「なんで、牛丼旨い…」
「美味しい美味しくないは関係ないの!」

 二人の言い合いに呆れたような顔をする遼。面倒なので放置である。

「んじゃ、行くか」

 立ち上がる遼。それを合図に全員立ち上がり、ドアに向かって歩いていく。星矢は暗くなった外を見ながら、ぐっと背伸びをする。

「星矢、行くぞ!」

 遼が呼び掛ける。星矢は振り向いて、笑みを浮かべた。

「はい!」

 これが星矢の秘密がバレた後の、生徒会の日常である。







fin.

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