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 数分後、疲れた顔をした遼が生徒会室に戻ってきた。その後ろにはブス腐れた顔の赤地風莉と、無表情だが少ししゅんとして見える赤地風汰がいる。二人は双子だが二卵性のため、全く似ていない。
 風汰は室内にいる星矢を見つけ、顔を輝かせると星矢に駆け寄った。その様子はご主人様を見つけた犬のようだった。風莉もむすっとしつつも、星矢の方に足を運ぶ。

「テメェら……」

 遼は口元をひくひくさせながら二人を睨んだ。

「河成、おはよう」
「おはようって時間じゃないですけど……おはようございます」
「河成! 僕にはっ?」
「おはようございます」

 星矢が双子に挨拶と、風莉は白い肌をぽっと赤く染め、おはようとか細い声で返した。星矢は今まで上から目線だった風莉の可愛らしい姿にくすりと笑う。
 星矢以外の役員はその笑顔に可愛いのはお前だと心の中で呟いた。そして遼は双子に近づくと、がしりと風莉の頭を掴む。

「いたっ!」
「お前のミスだろ、さっさと片付けろ」


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