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「お、お前ら…俺を騙してたのかよ?」
声を震わせながら言うと、三条の弟と思われる男がくすりと笑った。
「それ、きみが言う?」
その馬鹿にしたような声と笑みにカッと頭に血が上る。
「俺は別にっ……騙して、ねえよ」
偽名を使ってこいつらをもてあそんでいたのは事実だったので、最後の方は自信なさげな感じになってしまった。……しかし結局、もてあそばれていたのは俺だったってことか? この俺が? この美しくて頭の良い俺が…。
「で、兄さん。結局近藤くんはどうするの。なんかおっかない人たちいるけどさ」
さっと俺から視線を外すと、三条に話を振る弟。三条は眉を顰め、顎に手を当てた。
「うちに連れて帰りたいけど――」
「んなの許すわけねーだろ」
「だよなあ」
うんと頷いて、今度はにこりと笑う。その笑みが不気味で、俺は体を震わせた。
「じゃあ、共有しません?」
「共有だあ?」
「と言っても、その関係に甘んじるわけじゃなく――隙を見て奪っていいということで」
「……なるほどな」
高宮は凶悪な顔で笑った。
「いいぜ、俺はそれで。――こいつが逃げないようにするのが先決だからな」
「話の分かる人で良かったですよ」
先ほどまで険悪だった二人が今度は笑いあっている。脳が逃げろと激しく警告してくる。しかし俺の体は石のように硬くなっていた。
二人の視線が俺に向く。二人に見下ろされている俺の頭には、那須の声が響いていた。
『自業自得だよね』
fin.
リクエストありがとうございました!!
ご期待にそえたかどうか……とっても不安です!
あまりナルシスト感を出せなかったのと、終わりが締まらなかったのが自分ではちょっと満足いかなかったです。
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