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 っていうか、何の用なんだ。じろりと睨むと一瞬びくりとしたフード男は俺の家を指差した。

「……家がなにか?」
「あの、さっき変な人がうろうろしてて……この前も被害に遭われてたみたいなので知らせておこうと思って」
「…へ、変な人?」

 って、お前も充分怪しいけど。そんな俺の考えが伝わったのか慌てて首を振る男。

「僕は違いましゅよ!」

 慌てすぎて噛んでいる。俺はイラッとしながら続きを促す。

「それで、えーと…その変な人はどうしたんですか?」
「……それが、ポストに何かを入れてて」

 どきりとする。もしかして、と引き攣った顔でポストに視線を遣った。

「…ありがとうございます」

 礼をして、早足で家に向かう。「あっ」
 後ろで声が聞こえたが、聞こえないふりをした。






 ポストを開けた――瞬間、どさどさっと大量の封筒が落ちてきた。俺は恐怖を感じて息を飲む。

「え、な……」

 なんだ、これ。

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