23

 空いている日と言えば、いつでも空いている。土日は基本的に自宅に引き籠って本を読んでいるから。僕はとりあえず土日は大丈夫だということを書き、送信する。僕は息を吐いて、ベッドに寝転がる。広樹くんのメールを見つめていると、夢で見た、広樹くんの冷たい顔が浮かんでくる。
 でも、田中くんの言葉で気が付いた。僕は、広樹くんがあんなことを言う人ではないと思っている。つまり僕のことを、その、好きだということになるけど。僕はそんなことを考えて、顔が熱くなった。

『じゃあ、土曜日に会おうよ』

 僕はすぐに了解の返事を送る。ほっとすると同時に力が抜けて、天井をぼんやりと眺めた。もう一度会って。僕はどうすればいいんだろう。広樹くんは、僕に何か求めてくるだろうか。――ちょっと怖い。

「はあ…」

 僕は溜息を吐いて、目を閉じた。そうしているうちに、僕はいつの間にか眠っていた。













「お前さあ、やっぱりあいつと仲良いだろ」
「えっ……」
「山邊だよ山邊」
「な、なんで…」

 翌日。朝、本を読んでいた僕は、クラスメイトに突然投げかけられた言葉に困惑する。僕を合コンに誘ったクラスメイトだ。どうしてそんなことを言ってくるんだろう。

「あいつがさあ、お前クラスでどういう感じかって訊いてきたんだよ。仲良いやつとかさ」
「ど、どうして?」
「いや知らねえよ。俺のほうがどうしてそんなこと訊くんだって感じ。でもあいつ答えねえし」

 クラスメイトは、眉を顰めて僕を探るような目で見下ろす。僕は、ええと、と視線を漂わせる。

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