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「……実は、他校の子に告白をされて…」
「ほう」
「それから連絡がないんだ」
「忙しいだけじゃないの?」
「……そう、なのかな」
忙しくても、メールくらい…できるんじゃないかな。僕が納得していない顔をしていたからか、田中くんは少し考えた後、口を開く。
「連絡できない事情があるのかもしれないよ。他に考えられるとすれば、……きみから連絡してほしい、とか」
「え、僕から?」
「よくわかんないけどさ、女の子ってそういうことしそうじゃん」
「そ、そうなのかな…?」
「いや、わかんないけど」
田中くんは淡々と話していく。女の子じゃなくて、男の人なんだけど、当てはまるのかな……。僕の連絡を待っている? 広樹くんが?
「してみたらいいじゃん。だって告白されたんでしょ」
「う、嘘だったらどうするの」
「嘘」
探るような目で僕を見ると、田中くんは首を傾げた。
「なんで嘘って思うの」
「……夢を見て」
「どんな」
「僕をからかっただけだって。冷たい目で……」
「ふうん」
田中くんは相変わらず感情の読めない声で呟いた。「そういう嘘吐くような人なんだ、その告白してきた人は」
「そんな人じゃない!」
僕は思わず叫んでいた。はっと口を押さえると、田中くんは、ふ、と笑った。
「ちゃんとわかってるんじゃん」
田中くんの言葉に、僕は赤くなった。
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