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結局僕の話はことごとく無視され、一緒に帰ることになってしまった。女の子がイケメンにいくらいてくれと頼んでも断り、じゃあ一緒に帰ると言っても断り。
「あの……山邊くん」
「名前で呼んでってば」
「……なんで名前の呼び方に拘るの?」
「えっ?」
ぽっと赤くなるイケメン。その反応に背筋がぞわりとした。いやいやいや、ちょっと待って。何ですか今の反応は。
「え……?」
「だって陽一と仲良くなりたいし…」
「ぼ、僕と…?」
「うん」
僕と仲良くなりたいなんて初めて言われた。かあっと胸が熱くなり、僕は俯いた。
「陽一?」
「な、なんで僕と仲良くなりたいの?」
口が勝手に動く。え、と困ったような声が頭上から聞こえた。
「ええ、恥ずかしいなあ。なんか一目見たときにぴんときたんだよね」
「一目って」
……確かに最初の自己紹介の時から僕のことを見ていた。…ほんとに僕と仲良くなりたいのか。
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