3

 え、なんだって? 告白タイム?

「……本条先輩に、告白って言ったのか?」
「そうだけど」

 さらっと答えられ、さあっと血の気が引いた。八嶋はそんな俺を見て不思議な顔をして首を傾げた。慌ててスマホを取り出し先輩に連絡する。

『クラスメイトから言われたこと気にしないでください!』

 何と言えば分からず、とりあえず否定しようと打った文字。返事はまだ来ない。本城先輩は基本的に直ぐに返信するタイプではないので、俺はスマホを仕舞った。

「どうしたんだ?」
「いや、別に……」
「元気ないなあ」

 誰のせいだと思ってるんだ。俺は溜息を吐いて席に着く。本城先輩、どう思っただろう。告白タイムって、まるで俺が告白してるみたいな……。俺のことを疑ってはないと信じたいけど。嫌な思いをさせてしまうことが、俺としては嫌だ。
 ポケットにいれたスマホをぎゅっと握り締める。俺はもう一度溜息を吐いた。

[ prev / next ]



[back]