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「カズって、ほんとに俺のこと好き?」
放課後。室伏が隣に並んで下校している時、ぼそりと呟かれた言葉。一瞬頭がぼおっとして、すぐに返事する。
「え、な、なんで」
「そう見えないから」
「そう言われても…」
じゃあどうしたら良いと言うのか。答えないままでいると、室伏はぎゅっと手を握ってきた。ぎょっとして室伏を見上げる。手を振り払おうとしても、力が強くてできなかった。
「なんで放そうとすんの? 別にいいでしょ、付き合ってるんだから」
「そうは言っても…」
人の目があるわけで。……噂だって立ってるし。
周りの視線が気になって、ちらちらと確認する。皆がこっちを見てこそこそと話している気がしてならない。
「……ま、いいけどね」
「え…?」
「カズが俺のこと、好きじゃなくても」
室伏はふっと笑うと、手を放した。
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