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ガサガサと袋を揺らし、小さく首を傾げる。女の子がやれば可愛いだろうが、室伏がやっても可愛くもなんともない。
「何話してたんだよ」
「……特になにも」
「楽しそうに会話してたくせに」
……そうか? まったく楽しそうにした覚えがなければ、平野さんが楽しそうにしてるようにも見えなかったけど。
「室伏、平野さんのこと覚えてないのか」
「平野さんねぇ。見たことあるようなないような」
顎に手を遣り、思いだす素振りをするが、すぐに分からないやと言って諦めた。俺も平野さんのこと忘れてたけど、こいつやっぱり興味ないことすぐに忘れるな。……そして室伏に覚えられてるってことでちょっと嬉しくなる俺もだめだな。
「室伏が振った子だよ」
「あ、そう」
反応薄すぎだろお前。まあいいけど。これ以上平野さんのことを話しても無駄だろうと思ったが、室伏は平野さんが出ていったドアの方に顔を向ける。
「っていうことは、カズと付き合った女か」
ふんと鼻で笑うと、室伏は再び俺に視線を向けた。
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