▼ 後日談
俺と綾斗がなんやかんやあって付き合った翌日。俺は綾斗により生徒会室へ連行された。前にも言ったようにここは俺がいていい場所ではないので断ったが、文字通り、連行されたのだ。
「いやー、長かったね」
「ほんとだよ」
日野と村瀬がやれやれと言った様子で笑う。俺はひっついてくる綾斗を押しやりながら、気になったことを訊ねた。
「日野たちも前から知っていたのか?」
「そりゃあね。…手出すなって牽制かけられたし」
「はあ!? 綾斗、お前…」
「だってお前顔もいいし性格もいいだろ。言っとかねえと」
だってじゃねえよ。俺は何とも言えない気持ちで綾斗を見てから、日野たちに視線を移す。どこか遠い目をしている二人に申し訳ない気持ちになる。
「悪かったな、いろいろ…」
「いや、いいよ。別に。やっとくっついてくれてこっちとしても嬉しいし」
「そうそう。あんなビッチに構うのすげー苦痛だったから、これでくっつかなかったら俺発狂してたかも」
村瀬がへらりと笑う。俺も山田が苦手だったから、気持ちは分かる。山田と一刻もはやく離れたかっただろうな。
それでも協力してくれた日野と村瀬。そして親衛隊や搗本などの他の奴ら。綾斗だから協力したんだろう。流石だな、と感心する。
「この計画は綾斗が?」
「そうだ。俺が計画して協力者を集めた」
「何でお前そんなに誇らしげなんだ」
ふふんと笑う綾斗に苦笑を浮かべる。まあ、これでこそ綾斗という感じだが。
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