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確かに親衛隊と言った。しかし言った時ならともかく、それから何日も経った今、その話を持ち出すのか?
「き、きみは――」
「アンタって、綾斗のこと好きなの?」
「は?」
言われた言葉に目を丸くする。俺が綾斗のことを……?
「何を言って…」
「だから僕のこと睨むんでしょう?」
くすりと笑う山田に息を飲む。睨んだ覚えはない、というか睨んでいたのは綾斗だが……二人を見て嫌な気持ちになったのは本当だ。だからと言って、俺が綾斗のことを好きかどうかは違うような…。
「でも、残念だったね。綾斗は僕のことが好きなんだ。付き合おうって言われたし」
「…綾斗が」
と、いうか。ちょっと今更な気がするけど、突っ込んでいいか? どうしていきなり性格が
変わったんだ。
「きみは…その、前と雰囲気が違うようだけど」
「そりゃあ、アンタがいい加減邪魔になってきてね」
山田はにっこりと笑う。これはやばいかもしれないと周りを見回す。土曜日だから、人気がない。これが午後ならまだ話は違ったかもしれないが、今は昼前だ。
山田の背後から、生徒が数人歩いて来た。助けを求めようとして――口を閉じる。見るからにガラが悪く、そして…ニヤニヤと笑っていたからだ。顔を強張らせる俺を嘲笑う山田。そして、山田の後ろで止まったガラの悪い連中。
「こんな人が通るかも分かんねーとこでやんの?」
「どうしよっかなあ」
一人が俺の背後に回ってきた。逃がさない為だろう。――困ったな。どうしよう。
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