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謎だ。色々謎だ。搗本は俺に何かを隠しているし、綾斗もよく分からない。
その謎が解けたのは、数日後の土曜日のことだった。
仕事を放置して、山田に構いっぱなし。山田の傍にいるのは俺も見たから知っている。しかし、仕事をやっていない割には、普通だ。普通であることはとても良いのだが、おかしい。
生徒会の仕事は適当にやることは許されていないし、量も多い。提出書類に不備等あれば、風紀が黙っているはずがない。風紀委員長と綾斗は仲があまり良くないのだ。綾斗に何かミスでもあれば必ずそこを突いてくる。それがないということは、即ち書類は完璧であるということだ。
様々な謎と違和感を抱えながら俺は図書室へ向かっていた。綾斗とは未だに碌に話せていない。休日は綾斗に部屋に呼ばれることが多いのだが、今日は呼ばれなかったので図書室で勉強することにした。
「あっ」
図書館へ着く前だった。あの男に会ったのは。背後から声をかけられ、俺は振り向く。そう、山田がいたのだ。
「日向…」
山田は何故か、今まで俺が見てきたような明るい笑みではなく、意地が悪そうな顔で笑った。
「やま――」
「日向ってさあ、親衛隊ってやつなんでしょう?」
馬鹿にしたような顔。――いや、これは、したような、ではない。まさしく俺を馬鹿にしているのだ。吐き捨てるように出てきた言葉がそれを裏付ける。
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