7

「日向さんは年上なんだから、敬語くらい使いなよ」

 俺の代わりに注意をすると、山田は不思議そうな顔をする。

「だって友達だし…」
「……あのねぇ」

 頭が痛そうにすると、戸部は俺を見上げる。

「日向さん、もう戻りましょう。これ以上は時間の無駄です」
「テメェらが勝手に来たんだろーが」

 田辺が吐き捨てるように言って、こっちを睨む。確かにそろそろ戻りたい。休み時間も残り少ない。

「そうだな、じゃあ…」
「ええ! もっと話そうよ!」

 俺は顔を引き攣らせる。山田から解放されたのは、十分後のことだった。







「大丈夫ですか? 日向さん…」
「なんとか…」

 酷い目に遭った。あれから山田にはしつこく質問ぜめされ、解放してもらえなかった。

「失礼な子でしたね。礼儀がなっていないというか…」

 失礼というか、精神年齢が些か幼い印象を受けた。喋ったら友達とか、年齢を気にせず喋ることとか。

「生徒会は何故あの子を…? あの側にいた二人も謎ですが」

 田辺と神場か。田辺は兎も角、神場は山田を好いているようには見えない。何を考えているかよく分からないやつだったな。

[ prev / next ]



[back]