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憂鬱な思いでスマホに視線を落とす。新しい連絡先が増えてしまった。それも、二件も……。何故かユウの分まで入れてしまったのだ。勿論俺じゃない。カナメだ。カナメが犯人だ。
仁のメールを開いては閉じ、開いては閉じ、を繰り返して溜息を吐く。連絡したいが、またチェックされた時が怖い。
「仁…」
自分の声が静かな部屋に響く。思った以上にか細い声に恥ずかしくなって枕に顔を埋めた。カナメは、前に比べて敵意がなくなっている、気はする。もしかしたら仲良くなれるかもしれないという気持ちもある。でも、学校で見張られたり、ユウと関わったりは正直面倒だし嫌だ。溜まり場で、やっぱりボコろうってなるかもしれない。仁と関わるなって言われたらどうしよう。それに、親友にバレたら――と思うと、気が休まる時があまりない。
「はあ…」
溜息。さっきから、何度目だろう。仁からも連絡がない。あっても困るんだけど、期待してしまう。もしかして、やっぱり友達やめるとか……言わないよな? 俺は不安になりながら、目を閉じた。
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