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「な…」
「だってジンと仲良くしているんでしょう? もともとこの人は総長って立場なだけで、別に慕ってるわけでもない。勿論総長だって僕たちのことをよく思ってないでしょう。それなら僕たちの情報を流される前に切り捨てるべきです」
ユウの言っていることは正論だ。俺はチームの皆から信用されていないからな。前の総長には申し訳ないけど、皆から出ていけと言われたら流石に総長を辞める。今まで以上に辛い目に遭いたくないし。
「こいつはそんなこと考えちゃいねえよ」
カナメが静かに口にした。言葉が耳に入った瞬間何を言ったのか理解できなかった。目を見開いてカナメを見ると、何だか真剣な顔でこっちを見ていた。
「……は? ど、どうしたんです!? カナメさんは一番総長を嫌ってたじゃないですか! あんなに追い出したいって…」
ユウは声を荒げたが、段々と声が小さくなった。
カナメが俺から視線を外し、ユウを睨んだからだ。睨まれると思っていなかったであろうユウは勿論、ハヤトたちも動揺を隠しきれていなかった。俺だって驚いている。カナメは誰の目から見ても俺のことを嫌っていたから、喜んで追い出すと思っていた。
そういえば、仁と一緒にいた時、カナメについていくと決めるとドヤ顔をしていた。もしかしてカナメは俺に総長を辞めてほしいとは思っていない……? そんな、バカな。と思うけど、じゃあ一体何でだ?
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