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 急いで内容を確認する。

『また泣いてないだろうな?笑』

 ニヤニヤと意地悪く笑っているジンの姿が脳裏に浮かび、むっとする。こいつ俺が何回も泣くような奴だと思ってる! 俺はそんなに涙脆くない……と思いたい。

「何なんだよ、一体……」

 カナメの声が聞こえる。珍しく動揺したような声だった。一体どんな顔をしているのかと顔を上げると、目が合った瞬間顔がきつくなって睨まれた。……うん、知ってたよ。でも、いつものように空気として扱われるんじゃなくて、皆こっちを気にしてちらちらと見て来る。その視線が何だか気味悪いというか、居心地が悪いので、俺は席を立った。

「おい、どこ行くんだよ」

 ハヤトが目を細めて俺を見る。真っ赤な髪が目に痛い。もしかして、俺が帰ると思ってるのだろうか? いや、帰りたいけど帰らないから。ちょっと外の空気吸いに行くだけだ。俺は無言で煙草の箱を出す。すると、煙草を見たハヤトがチッと舌打ちした。そして何も言わず俺から視線を外す。相変わらず感じが悪い。
 俺は突き刺さる視線から逃げるように溜まり場を出た。

「はあ……」

 入り口から裏に回り、溜まり場である倉庫の壁に背を預ける。そのままずるずるとしゃがみ込んで溜息を吐いた。煙草の箱を開け――中に入ってる飴を取り出す。煙草なんて吸ったことないし吸いたくもない。これは親友に一応持っておけと言われて持っているだけだ。中に本物の煙草は入っていない。この箱もよくよく見たら偽物だし。どこで磨いたんだよこの技術は。
 ころんと口の中で飴を転がす。コーラの味が中でじわりと広がる。

「あと一時間……くらいかな」

 皆が帰るまで。それから散らかしたものを掃除して……。あ。そうだ、それからなら会えないかな。先程の返信も含めて、ジンに送る

『うるせー! ばか! アホ! 二時間後くらいなら暇になるんだけど会えない?』
『ツンデレかよ。いいぜ、じゃあまた連絡ヨロシク』

 ……え、ツンデレ? 何が? 俺は眉を寄せて首を傾げる。

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