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「何でだめなんだよ」
「な、何でと言われましても…。強いていうなら性別ですかねえ、あはは」
乾いた笑みを浮かべる俺。強いて言わなくても性別が無理だ。他にも性格とか無理だ。
「じゃあ性転換だな」
「はっ!?」
何考えてるんだこいつ!? 俺は城野を凝視した。そ、そこまで俺のことを? いや、っていうか女になった城野とか見たくない…やっぱり無理だ。
「お前は女になったら美人だろうな」
「って俺かーい!」
若干そんな気がしてたけどね! がっくりと肩を落とす俺を訝しげに見ると、鼻で笑った。
「いい加減諦めろよ。悪いようにはしないぜ」
「諦めきれませんよ…悪いようにされる想像しかできないし…というか付き合っても俺いいことありませんよねえ?」
「俺と付き合えるってだけで自慢になるだろ。いいぞ自慢して」
「それを本気で言ってるなら引くんですけどお」
「……冗談だろ」
小さな声で冗談だと言う城野は、ちょっと落ち込んでいるというかむっとしているように見えた。それがちょっと可愛くて思わず口を緩めてしまった。一瞬で我に返り、自分を殴りたくなる。何だか俺、最初に比べて絆されてるような……。もしかして流されやすいのか!? このままだとやばい!
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