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「――で、何すか」
むすっとしている俺。生徒会室には俺と奴のみ。
「まあ、こっち来い」
「……ええ」
「そんなに嫌そうな顔すんなよ、傷つくだろ」
ニヤニヤと笑みを浮かべながらの一言。なーにが傷つくだろ、だよ。よく言えるなそんな顔して。
「…何もしないならいいですよ」
「あー」
あーって何。え、あーって何? 俺は目を細め、疑いの眼で城野を見る。
「大丈夫大丈夫」
「嘘くせえ…」
呟いた瞬間、表情を一変させてぎろりと睨まれる。思わずひいっと悲鳴が出そうだった。こいつすげーイケメンだけど、顔が怖い! 強面っていうの? そんな感じ。
「いいから来い」
「…はーい」
嫌な予感しかしないけど、行かないと怖いし、帰らせてくれなさそうだ。俺は渋々近づく。
「まあ座れ」
「はーい」
「お前適当になってねえか?」
ギクッ。
「いえいえまさかそんな」
はははと乾いた笑みを浮かべる俺を訝しげに見て、一度溜息を吐いてさっさと座れと目で促してくる。俺は言われた通りいつもの席に座る。
「それで――っ!?」
背中に手が回り、引き寄せられ、ぎゅっと抱き締められる。俺は目を見開き、硬直する。温かい体温。密着した体。
「ななななな」
「こら、暴れんな。何もしねえよ」
現在進行形で何かしてるよなあんた! と言ってやりたかったけど、何故か言うことができなかった。声が優しかったからかもしれない。俺は大人しくする。
「お前、ちょっと疲れてんだろ。肩の力抜けよ」
「……疲れてる? 俺が?」
いや、全然疲れてない…と思うけど。俺は動揺して、視線をきょろきょろといろんな所へ動かした。
「自分では分かってねーみたいだけど、俺には分かる。お前は疲れてる」
「…なんで分かるんすか」
「ずっと見てたからな」
不覚にもどきりとした。そして一瞬で我に返る。な。なんでどきっとしてるんだ俺は。普通はここはずっと見てたなんて気持ち悪い! と思うところだろ!
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