おまけ4

泉島/in生徒会室







 会長と付き合うに至って、不安だったことがいくつかある。こんな凡人な俺とじゃ釣り合わないということと、男同士だからいつかは別れがくるということ、庶民と金持ちということ。そして――会長の親衛隊のことだ。親衛隊隊長の人や隊員は俺のことを認めてくれたが、それは会長の仕事を手伝うということに対してだ。付き合っていいとは誰も言っていない。打ち明けなくてもいつかはバレて恐ろしいことになりそうだし、打ち明けても恐ろしいことになりそうだ。会長は俺と違ってかっこいいから、親衛隊以外からも色々されそうな気がする。
 そんな悩みを抱えて数日。俺の様子を訝しんだ会長が、顔を覗き込んできた。ちなみに今生徒会室だが、会計は既に帰っている。いつも正式な役員ではない俺よりも早くに帰るが、それは俺たちに気を遣ってだということに気付いたのはつい先日だ。外に出していい書類を持ち帰って部屋で仕事をしているらしい。

「体調でも悪いのか?」
「いえ…」
「ここ数日、元気がねえな。何か悩みがあるなら言ってみろ」

 俺は言うべきか迷った。しかし、親衛隊のことは会長の方が良く知っているし、こういうことは二人で相談した方がいいような気がする。思い切って親衛隊について訊いてみた。
 すると、会長は一瞬不思議そうな顔をした。俺が首を傾げると、顎に手を遣って、ああ、と口にする。

「言ってなかったか。月島は従兄弟だ」
「えっ」

 「だから心配の必要はねえ。つーかあいつにはもう既に言ってる」続けての爆弾発言に俺は目を丸くした。従兄弟だったのか…。


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