おまけ3

風紀組/泉島登場なし







「納得いかない」

 俺は横でブス腐れている男を見て呆れる。

「まだ言ってるのか」
「健はどうも思わないの!?」

 ばん、と机を叩いた瞬間、周りで仕事をしていた奴らがびくりと体を震わせた。

「おい、落ち着け」
「落ち着いていられるかー!」

 島田と泉田が付き合い始めたということを知らせてからずっとこのように荒れている。まあ、気持ちは分からないでもない。俺もこいつも島田のことは可愛がっているからな。娘に恋人がいると知った父親もこんな心境かもしれない。
 しかし、泉田は一時期駄目になっていたとは言え、あいつはいい奴だとは思う。俺とは合わないというか、顔を合わせると良く言い争いになるが。見た限り島田には優しいし仕事も今ではしっかりとやっている。今まで見てきた中で一番いきいきしていると思うし。だから島田のことを任せようと思った。……まあ、泣かせたり傷つけたりした場合は、あの宣言通り、ぶっ殺す――と言うのは冗談だが、奴の顔に拳をめり込ませてやる。

「あーあ、仕事やる気になんない」
「島田にお前がサボってるって言うぞ」
「よっしゃー仕事頑張るぞ!」

 ちょろい。このちょろさが泉田とのことでも通用すればいいのに。認めてやらないと島田から嫌われるぞと言った時は、島田くんはそんな子じゃないと返されただけだった。
 こいつが認めるのはまだ先になるだろう。俺は苦笑して、やりかけていた仕事に手をつけた。





fin.

会長涙目

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