17

 ということで、俺は会長の仕事を手伝うことになった。

「はあ…?」

 そのことを伝えると風中先輩は呆れた顔をした。

「何でそういうことになってんだよ」
「いやあ、俺にもよく…」
「島田くんってお人よしだよねえ」

 山下先輩のしみじみとしながら言った言葉に首を傾げる。お人よし…だろうか。まあ面倒事に首を突っ込んだのは否定しないが。

「それにしても会長も良く分かんないよねえ」
「そうですよねえ」

 二人で首を傾げる横で、風中先輩は苦笑する。何か分かったのだろうか。じっと見つめると、風中先輩は肩を竦めた。言うつもりはないらしい。

「でも、俺にもできる仕事ってなんなんですかね。書類って俺みたいな一般生徒が手を出していいんですか? というかそういうことまったく分からないんですけど…」
「いくらなんでも書類を任せることはないと思うよ。うーん、お茶をいれたりとか?」
「あとは誤字脱字のチェック、PCが扱えるなら打ち込んでもらう、とかだな」
「ああ、なるほど」

 確かにそれなら俺でもできる。ワードやエクセルも基本的なことなら分かるから、使えと言われてもなんとか応えられる。

[ prev / next ]



[back]