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書類を手に生徒会室へ戻ると、むっすりとした会長がいた。まだいたのか、と目を丸くする。あの後帰ったと思っていたから。会長はこっちを見ると、口を開いた。
「おせえ」
「…俺を待っていたんですか?」
「テメェ、書類持って行っただろ。なら戻ってくると思ってな」
気づいていたのか――。
会長は来い、と俺に命令する。俺は大人しく近づいて書類を渡す。
「……何で風紀じゃねえのにこんなことやってる。何が目的だ?」
「どうして俺が風紀じゃないって?」
「風紀委員の名簿を確認したがテメェの名前は載っていなかった」
会長がぎらりと俺を睨みつける。本当のことは流石に言えない。俺は考えた末、秀が来る前の会長を思い出す。偉そうなところは変わっていないが、いきいきとしていた。
「会長のことは良く知りませんが、以前の会長は仕事に誇りを持って、堂々としているように見えました」
僅かに会長の目が見開かれる。まじまじと見つめられ、少しだけ恥ずかしくなって、顔を逸らす。
「あの、ちゃんと仕事やってくださいね」
じゃあ、とそそくさと退室しようとしたら、低い声が俺を引き留めた。
「待て」
またかよ、と口を引き攣らせる。無視するわけもいかず、はいと返事をする。
「いいだろう、仕事はしてやる。その代わり…」
会長がゴミ山(会長の私物)を指差した。嫌な予感がした。
「それ、片付けろ」
嫌な予感は見事的中した。
……何で俺が!?
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