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「ね?」
須藤に問われるが、俺に訊かれても、分からない。……というか、本当に龍崎は人間ではないのか?
龍崎はニヒルに笑うと、須藤の横に並んだ。そして冷たい瞳で俺を見下ろしながら言った。
「まあ、テメェが知ったからって、何が起こるわけでもねえ。特別に教えてやるよ」
「俺もテメェと同じで、人間とは違う存在だ」さらっと明かされた秘密に俺は目を丸くする。何でもないように話しているが、気にしていないのだろうか。
「純血じゃねえが…まあ、人より狼に近い存在だな」
やっぱり狼に見えたのは――見間違いではなかったのだ。しかし何だか信じがたくて龍崎をじろじろと見上げる。不愉快そうに眉を顰めた龍崎は、無言で俺から視線を外す。
「つーか、テメェ、須藤。俺だけ言わせる気か」
「ええ? 俺は良くねえ?」
ぎろりと睨まれた須藤は、渋々といった顔をし、肩を竦めて言った。
「俺はねえ、龍崎さんよりもっとそれっぽい存在かな。化け猫っていうの?」
「猫…」
「うん。俺はどう? 猫っぽい?」
ねえねえと子どものように訊ねてくる。どちらかというと狐っぽいとは言えず、曖昧に笑って見せた。すると俺の顔で悟ったのか、不満そうな顔をした。
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