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俺は高校の時運動部に入っていたため、こういうのは気になるんだ。しかし、何度言ってもこいつは聞かないし、もういいかもしれないと若干諦めモードだ。
っていうか、マジで帰れ。最初の方は親が心配しているだろうと思っていたが、礼二の携帯には一回も着信はなかったし、捜索願いも出されていないようだ。出ていたら、学校にも連絡があるはずだし。まあ、携帯に連絡があるかないかはちょっと分からないが、俺と一緒に居る時は携帯が一回二回鳴るだけで、それは普通に取って穏やかに会話をしていたから、親ではないだろう。
「…礼二」
礼二は俺を見て、きょとんとする。
「…本当に、大丈夫なのか」
「ん」
躊躇なく頷く礼二に溜息が出る。礼二には食費を貰っているため、金は問題ないと思うが、やっぱり親しくない人間と過ごすって言うのはストレスが溜まる。それに、ずっと俺の家にいるってわけにもいかないだろ。
「とりあえずいったん帰って、ちゃんと話し合えよ」
「……だって」
む、と口を曲げる。ちら、と何かを訴えかけるような目をして俺を見る。しかし、それだけで、何も言わない。イラッとした。俺は、こいつのこういうところが嫌いだ。
大袈裟に溜息を吐くと、びくりと震える大きな体。泣きそうになっているのを見ないふりして、俺は立ち上がる。
「俺、でかけてくるから」
え、と小さな声が耳に届く。そのまま歩き出すと、慌てて立ち上がった音がした。
「ど、どこに…」
「適当にぶらついてくる」
「お、置いてかないで」
素っ気なく言うと、礼二は情けない声でそう言った。そして、ぎゅ、と服を握られる。俺は仕方なく振り返った。
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