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一応、どこに行くかは考えてきた。
「ゲームセンターに行こうかな、と…」
不良といえばゲーセンだ。偏見だけど、でも、そうだろ? 金山の好きな場所とか知らないから、これが無難だと思うんだ。しかし、金山の反応は俺の想像と違った。
「ゲーセン?」
眉をぐっと寄せて俺を見る。なんか乗り気じゃないんだけど。いや乗り気の金山なんて見たことないけど、ふーん、という反応を想像していたから…。
「い、嫌ですか?」
「別に」
素っ気なく返事をする金山。それならそんな反応すんなよ! と思ったら、金山は続けて言った。
「あんま行かねえだけだ」
なんてことだ。不良は皆ゲーセンへ行くもんだと思ってたのに。あっ、もしかして煩いのが嫌なのか? 嫌いだもんな、煩いの。
一人で納得し、じゃあどこに行くかなと考えていると、隣にいた金山がいつの間にか歩き出していた。
「えっ、あ、あの?」
慌てて声をかけて引き留めると、足が止まり、金山が振り返る。
「…ゲーセン、行くんだろ」
「でも、嫌なんじゃ…」
「嫌じゃねえっつっただろ、さっき」
呆れたように言われ、もう話は終わりだというように前を向いて、再び歩き出す。え、本当に嫌じゃないのか? ただ行かないだけ?
俺は首を傾げながら、小走りで金山に近寄った。
俺たちの間に会話はない。しかしこうして並んで歩くことは何度もあるため、若干慣れてきた。だから会話がなくてもあんまり気まずくはない。
確かこっちの方にゲーセンがあったなと記憶を掘り起こしながら進む。それからほどなくして到着した。来たはいいけど、本当に入っていいものか…。直前で安になり、金山をちらりと見る。金山はぼんやりとゲーセンを眺めていて何を考えているのかいまいち分からない。しかし嫌がっている風ではないので、俺は一応入ることを告げて、自動ドアをくぐった。
瞬間、劈くような騒音が耳を襲った。
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