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「まさか、テメェ」
あいつに余計なこと言ったんじゃねえのか。俺は疑いの眼でクソ野郎を睨む。すると奴は首を振った。「達也は感づいていたよ」
「俺が言う前にね」
って、やっぱり言ってんじゃねーか!
「でも、君の態度とか発言で、疑ってるんだよな」
それは、パシリだと言ったり、普通にパシらせているからなんだろうな。気まずくなって首の後ろをがりがりと掻く。
「俺としてはさあ、二人にくっついてほしいなって思ってるわけ」
「別に俺は…」
あいつとどうなるとか、どうでもいい。こんな気持ち、一時の気の迷いだ。高校までの付き合いだしな。あいつが女だったらまた違っただろうが、男だし、すげー魅力的な奴でもねえし。
大体、あいつが俺のことを嫌うことはあっても、好きになることはねえ。
「達也が君のこと好きでも?」
「……はあ? ねえだろ」
あり得ねえよ。どうせ適当に言ってんだろ、こいつ。そんなんで騙されると思ってんのか?
「まあ本人も否定してたけど。君のこと凄く意識してたよ」
俺はあいつの姿を頭に浮かべる。特に変わったようなところはなかったように感じる。やっぱり、こいつがでたらめを言っているようにしか思えない。
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