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何言ってるんだ。魂って、一体どういうことだ。俺の顔を見て、うんざりしたように溜息を吐く。
「その顔は信じてないね」
「そ、そりゃ、魂とか言われたって。だいたい、会いに来たとか、意味分かんねえし…」
「心当たりはない?」
「心当たりなんて、な――」
ない、と言おうとして、俺は口を押さえる。ある一人の男の顔が浮かび上がった。
「代田幸成。――知ってるよね?」
女の子は口角を上げて、俺を見る。呆然とする俺に向かって、不敵な笑みを浮かべた彼女は言う。
「付いてきなよ。彼が、アンタと話したがってるからね」
怪しい。そうは思ったが、俺の脚は勝手に動いて、女の子の後を追った。代田幸成。俺は恐る恐る白い靄を見て、ごくりと喉を鳴らした。
女の子は公園に向かっていたらしい。人っ子一人いない寂れたここに、俺と女の子と白い靄だけが存在する。女の子はボトルを取り出すと、中に入っていた粉を白い靄に振りかける。すると、沸騰したお湯のようにぐつぐつと靄が動き出し、やがて人の姿を形成した。
「しろ、た」
かつての同級生が、目の前に立つ。靄だったそれは、代田になって、作られた代田は俺に笑いかける。
「よう、久しぶり」
代田はそれから、女の子を見て言った。「ありがとう、シュウ」シュウとはこの女の子の名前だろうか。男みたいな名前だ。シュウはちらりと代田を見てすぐに逸らした。
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