おまけ3

告白

「俺、お前が好きだ」

 学の話を聞き流していたら、突然言われた言葉。驚きすぎて手に持っていたパンを落とした。

「は……え?」
「恋愛感情で、だ」
「お前…咲が好きなんじゃ」

 学は苦笑した。

「そうだったんだけどな。気が付いたらお前のこと好きになってた」
「俺、男だぞ」
「知ってる。お前は男で、可愛い物が好きで、甘い物食べてる時すげー幸せそうで、俺はそんなお前が好きでたまんねえんだよ」

 熱の孕んだ瞳に見つめられて、俺の心臓は激しく脈打つ。叶わない想いだと思った。咲との関係を応援しようと思った。諦めようと思った。だって俺はこんなんで、男だから。それなのに。

「…ふざけんなよ」
「分かってる。でも俺はお前が欲しい。…安心しろよ、きっぱり諦めるから」
「諦める…?」

 俺はギロリと学を睨む。一瞬その視線に怯んだ学に近づく。そして胸倉を掴んで、引き寄せた。がち、と歯がぶつかった。じんとした痛みに、ファーストキスの味は良く分からなかったなと思った。
 ぽかんとした学に、俺はにやりと笑って見せる。

「付き合ってやるよ」

 学は、ふ、と笑うと、今度は俺の後頭部を掴んで、俺が引き寄せられる形となった。セカンドキスの味は、なんとなく甘い気がした。




おまけのおまけ

学「お前、付き合ってやるよって言いながら真っ赤だったけど(ニヤニヤ)」
龍「うるせ…」







fin.




ということで、まあ書きたいネタはこれで書けたかな?
告白のシーンは会話文じゃ物足りない気がしたので、ちゃんと書きました。短いですが。

楽しかった……!
りゅーたろは恋愛のことに関してはかなり初心です。そんなりゅーたろにメロメロな原西。
でも基本的に素直になれないので良く喧嘩しちゃう二人。

ちなみに高村は連絡先を教えてもらえなかったので直接訊きに行って教えてもらいます。

[ prev / next ]



[back]