同族嫌悪2

(同族嫌悪続編/平凡総受け)
















 あんなことがあった数日後。
 転入生は変装を止めたらしい。光に反射する金髪はサラサラとしていて、綺麗な碧眼で見つめられるとドキッとする。顔に目がないこの学園は、手の平を返したように転入生に親衛隊を作ったり、告白をしたりした。それで、告白の返事に孝太が好きだ何だと言ってしまい、俺は色んな意味で睨まれることとなった。しかも駄犬の不良も訳の分からないことを言ってきて、俺に付き纏うから更に。
 転入生のことが好きな生徒会たちは、転入生の素顔の暴露と性格の変化に凄く戸惑ったようだ。そして……。

「孝太くん、僕と一緒にティータイムでもどうかな?」
「いや、是非俺と。親衛隊から美味しいお菓子貰ったんだー」
「全く…遊ぶ暇があるなら学生として勉強してほしいものです。僕が先輩の勉強をみてあげますよ。言っておきますけど、ついでですから、ついで!」
「ねぇねぇ、一緒にお昼寝しなぁい?」

 副会長、書記、一年会計、二年会計が今目の前にいる。しかもその順番に、好き放題言っている。
 どういうことか、俺は生徒会の人たちと友達になってしまったのだ。友達というか、俺が転入生への恋を協力する、みたいな感じか。転入生が俺のことを好きで、俺は転入生のことを好きじゃないと知っているから、結果俺が手伝うことに。意味が分からん。
 ていうか一年会計は早口で何を言っているんだ。何故後輩に勉強見てもらわないといけないんだよ。ついでとかいらないから! 帰れ! ティータイムはちょっといいかな、と思ってしまうけどな。
 まあつまり、転入生のことで相談したいんだろう。俺もぶっちゃけ毎日毎日付き纏われて鬱陶しいし。早く心変わりしないかな…と思ってしまう。いや、前みたいに大声で呼ばれたり手を引っ張られて色んなところに連れ回されたりしないだけマシなんだけど、逆にキスされたりとか、俺を挟んで駄犬と口喧嘩したりと、別な問題が浮上してしまった。もうキスされんのなれちまったよ畜生!

「あー…えっと、ティータイムは、行きたい、かも、…です」
「……! き、聞きました!? 僕と! ティータイムに行きたいと!」
「いや副会長と、とは言ってないよね!? 俺も誘ったし!」
「仕方ないですから僕も行きますよ。別に行きたいとか思いませんけど」
「お昼寝もしよーよぉ」

 ……カオスだ。

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