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「今度お前んとこ遊びに行くから、今日は帰れよ」
中々帰ろうとしない連に呆れながら言うと、連は黙ってしまった。これはいけるかもしれないと絶対に行くからと付け加えると、連は舌打ちした。
「来たばっかなのに」
「なあ」
後ろで峻と要がぎゃいぎゃい言っているが、連は渋々だったが頷いた。
「分かった。今日は帰る…が、おい、そこのリーゼント」
「大石だ」
「テメェはいつか殺す。あとその席に座んな」
「あぁ?」
ぎろりと恐ろしい顔で巽を睨んだ連と、それに応える巽。二人の間にばちばちと火花が散っているのが見えて溜息を吐きたくなる。
「じゃあ、"また"な、万里。おい、帰るぞお前ら」
にやりと笑みを残し、文句を垂れる二人を無理矢理引きずって教室から出て行った。俺は漸く帰ったかとホッとし、また、という言葉がいやに強調していたのが気になる。また来るつもりじゃないだろうな…。
「意外にあっさり帰ったな」
「なんでお前そんなに残念そうなんだよ」
「生の喧嘩が見られるかと思って」
口を引き攣らせる。なんてこと言いやがるんだ。連がここで暴れたら大変なことになるぞ。
「万里」
「名前呼ぶな。……なんだよ?」
巽は真剣な表情だ。俺は自然と緊張した。
「お前は俺とあいつどっちが好きなんだ」
俺は机に突っ伏した。
数日が経った。隣の席のリーゼント野郎が意味不明なことを言ってくること意外は特に変わったこともなく、とても平和だった。
「転入生を紹介する。入れ」
転入生という言葉に嫌な予感がした。いや、まさかな。まさか……ないよな?
汗を掻きながらドアを見つめる。ガラリとドアが開いて――そこにいたのは。
「林連だ。――ま、適度によろしく」
あくどい顔で笑うそいつが金持ちであることを、すっかり忘れていた。その後ろで見覚えのありすぎる赤と青の髪がいて、俺は現実逃避したくなった。
落ち着いた生活は、暫く望めそうにない。
fin.
総受けというか総愛ですね。
以下登場人物紹介です。
瀧口 万里(たきぐち ばんり)
不憫。
普通に女の子と恋愛したい。
大石 巽(おおいし たつみ)
初恋は万里。
段々発言がセクハラ化していく。
更木 深智(さらき みち)
爽やか。
肝が据わっている。
林 連(はやし れん)
万里が好き。
大石が万里にキスしたことを知ってブチギレした。
峻(しゅん)
万里の友達。
要(かなめ)
万里の友達。
東山(とうやま)
教師。
強面で恐ろしい顔をしているが面倒見がよくて人気がある。
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