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「…それで、何で別れたんだよ?」
尚志の眉がぴくりと動く。じっと俺を見つめたかと思うと、深い溜息を吐いた。
「お前のせい」
「お、俺の?」
本当に何かしてしまったのだろうかと最近の出来事を振り返ってみるが、彼女さんと会った記憶はないし、彼女さんたちのことで何かやった覚えもない。頭にハテナを浮かべながら考えてみるが、さっぱり分からない。
「…俺、なにしたんだ? 言ってくれよ尚志」
「奈美が、私より田村くんの方が好きなんでしょって」
「……は?」
…なんだって?
「で、別れようって」
「いや…お、おかしいだろ。好きの意味が違うし」
動揺を悟られないように言う。尚志は眉を顰めた。
「お前が俺のこと諦めて合コン行くっつーのが気に食わなかったり、他の奴が馴れ馴れしくしてるの見て苛ついたりする」
「は…」
「それでも、好きの意味が違うっつーのか?」
これは夢だろうか? まさか尚志が…こんなことを言ってくるなんて。
――って、「俺のこと諦めて」……?
「お、おおおお俺のこと諦めて!?」
「あ? ああ…お前、俺のこと好きだろ」
「えええええ! なっ、なんで!」
何故バレてるんだ!? ぱくぱくと金魚のように口を開閉させていると、尚志はふんと鼻で笑う。
「バレバレなんだよ」
「う、嘘だろ…」
かあっと顔に熱が集まる。俺って、そんなにわかりやすいのか…!?
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