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 というか、谷屋先輩、早速ジョンで登録してるんですね…。俺は顔を引き攣らせながら、片手で熱い顔を扇いだ。

『――いいか、お前は……え? ジョン? ……もしかしてそれ、繋がってるのか!?』
『まあな、おい、何でお前がこいつの番号知ってんだ?』
『は? いや、それは書類で…って、それはどうでもいい! 早く貸せ!』

 ……国分寺先輩の気にするポイントはそこなのか。そして律儀に谷屋先輩は返事を――ああ、そうか。谷屋先輩は書類で俺の番号を…。あれ? それ職権乱用じゃね?
 いや、まあ、それは今どうでもいい。俺早く用事済ませて着替えたいんだけど…。未だに寝巻きなんだけど…。

『ほらよ』
『投げるな!』

 どうやら無事にキャッチすることができたらしい。そこまで大きい音はせず、先程よりも近くから聞こえる谷屋先輩の声。

『悪い、虎が迷惑をかけたな』
「あ、いえ…」
『おい、何だよそれ。俺様が悪いっつーのかよ』
『悪いだろ!』
「え、えっと、谷屋先輩! ハル、大丈夫らしいです」
『お、そうか。じゃあ昼は頼むな。行き方は覚えてるか?』
「はい」

 言いながら、頭の中に地図を浮かべた。うん、多分行けると思う。多少入り組んだ場所にあるから少しだけ心配だけど。

「じゃあ、そういうことで」
『また後でな』

 そして漸く長い通話が終わったのだった。携帯を机に置き、服に手をかける。上着を脱ぎながら、それにしても、谷屋先輩も苦労人だと考えていた。
その時、ドアの向こうからハルの声が聞こえた。

「おい、朝飯どうする」

 俺は上半身何も着ていない状態のまま、まあ、男同士だしと、ドアを開ける。

「あ、あー、えっと、簡単なものでもいいなら、俺が…」
「うおあああああ!?」
「!?」

 急に叫び声を上げたハルに、俺の肩はびくりと震えた。

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