4 「何自己完結してんだよ!?」 「え、えーと…」 これ以上何を言えと!? そのまま黙っていたら苛ついたように舌打ちし、ガシガシと頭を掻く。その姿も大変様になっている。 「…同姓同名ってナンだよ畜生」 「同じ苗字と同じ名前のこと…ですね」 「知ってるわ!」 知ってましたか! すいません! 「……あ゙ー! くそっ、同じ名前ってメンドクセェな! おい、お前のことなんで呼べばいいんだよ!」 「へっ…? あ、そ、そうか。……なんでもいいです」 馬鹿とか平凡とかそういうのじゃなければ。それは勿論言葉に出す勇気はなかった。 というか俺はなんて呼べばいいんだろう…。悠木の悠ってハルカって読むよな? えっと、じゃあ…。 「ハルカとか…で、いいでしょうか?」 「あぁ゙!? 何でそんな女みてえな名前なんだよ!」 「すいません! 悠ってハルカとも読むので…。じゃあハルとか、?」 「……別にそれでいい」 ぼそりと呟いて顔を背けたハルの耳はほんのりと赤かった。照れているのだろうか。何だか可愛らしい。いや、顔は依然として怖いけど。超怖いけど。 「……俺はテメェのことシロって呼ぶからな」 「ハル…さん、よ、宜しくお願いします」 「…さんとか付けなくていーし」 ただの照れ屋だと思えばまだちょっとだけ(ここ重要)可愛く思えてくる。しかし眉間の皺が凄い。普通にしてたらモテそうなのに。否、このままでも十分モテるだろう、俺と違って!(別に開き直ってなんかないんだからな!) 因みにハルさん…いや、ハルは金髪美形で目が吊り上っていて眉も皺が寄せられているがやはりかっこいい。耳にはピアスがジャラジャラ付いているが、邪魔じゃないのかあれ。でもいいなあ。 「…かっこいいな」 「は、はあ!?」 おっと、心の声を口にしてしまった。しかも思わず顔が弛んでしまった。って、…ん? 何故赤くなる。こんなこと普段から言われ慣れてるだろう。そんなに照れ屋なのか? |