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「くそ…」
会長は苛立たしげに舌打ちをして、チェシャ猫の上から退く。そしてチェシャ猫の腕を引っ張り、無理矢理起き上がらせる。
「保健室行くぞ」
「ええ?」
会長の意味が分からない行動にチェシャ猫は目を瞬かせる。疑問をぶつけてみても、会長は答えず、そのままずるずるとチェシャ猫を引っ張っていく。尻が擦れて痛くなったチェシャ猫は、渋々と立ち上がった。
保健室に行くと、褐色の男と不良がいた。ドアが開く音に反応してこっちを向き、驚きの声をあげた。
「チェシャ!?」
「なんでクソ会長と一緒なんだよ」
「一緒で悪かったな」
「いや、ちゅーかチェシャその傷どしたん!? 大丈夫か!?」
会長と不良――隆一が睨み合っている横で褐色の男が心配そうにチェシャ猫に駆け寄る。
「まあ、いろいろあってさ。あ、一応言っておくと会長さんはちょっとしか関係してないよ」
「あ? どういうことだよ」
会長がチェシャ猫の言葉に反応して眉を顰める。チェシャ猫は肩を竦めて笑った。
「帽子屋が会長さんに構うなって怒ってね」
「…なんでそれさっき言わなかったんだよ」
「面倒だったんだ」
「お前なあ…」
会長は脱力する。構うなと言われて、なんと返したのだろうか。会長は気になったが、聞く勇気が出ず、口を閉ざした。会長はヘタレだった。
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