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「りゅーいちくん!」
チェシャ猫は廊下で目的の人物を見つけ、呼びかける。りゅーいちは驚いたのかびくりと肩を揺らして振り返る。チェシャ猫に会えて嬉しいのか、顔が少し緩んでいる。チェシャ猫は近寄ると、上目遣いにりゅーいちを見る。どきりとするりゅーいちは、瞬きを多くしながらチェシャ猫を見つめ返す。
「な、何だよ」
「りゅーいちくん、僕、りゅーいちくんが好きだニャ」
先程ジンに対しやった以上に蕩けるような笑みを浮かべたチェシャ猫に、りゅーいちの思考が停止する。そして一瞬で顔を真っ赤にさせると、急いで後退った。
「は!? な、なななな、何言って!? いや、つーか、え!? ニャって!?」
「僕、変なこと言ったかニャ?」
「いいいいい言ってんだろ!?」
りゅーいちは、足を縺れさせて床に尻餅をついた。呆然と自分を見上げる様子にチェシャ猫は満足し、腹を抱えて笑う。
「あっはははは! りゅーいちくん、今日は猫の日なんだってさ。知ってた?
「は……? ね、猫の日?」
顔を真っ赤にしたまま困惑するりゅーいちに、ニヤニヤを隠そうとしない顔で、今日が二月二十二日で、猫の日だということを教える。
「ああ、楽しかった! じゃあ僕は日向ぼっこでもしようかな。じゃあね、りゅーいちくん」
チェシャ猫は楽しそうに笑うと、踵を返し、尻尾をゆらゆらと揺らしながら去っていく。
「は、はああああああ!?」
一歩遅れて、りゅーいちの叫び声が響き渡った。チェシャ猫はそれを聞きながら、鼻歌を歌ったのだった。
fin.
出したいキャラは他にもいたのですが、これが限界でした……!
すみません…!
猫の日なので、チェシャの語尾で遊びました笑
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