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「だって僕、会長さんのこと大好きだからさあ。やめらんないよ」
「それなら俺にもちょっかいかけろよ」
「風紀委員長さんは好きじゃないもの」
つんとして言えば、少しは傷つくかと思ったが、気にした様子もなく笑う風紀委員長。
「お前は本当に猫っぽいな」
「ああ、そう?」
「ベッドの上でもな」
「死ねばいいのに」
チェシャ猫は白い目で風紀委員長を見る。そんな目を向けられても、風紀委員長は楽しげに笑っていた。
「っていうか、用ってそれだけ?」
「ああ、まあな。勿論お前に会いたかったっていうのが一番の理由だが」
「じゃあもう用は終わったよね。僕帰りたいんだけど」
「もう帰んのかあ? ゆっくりしてけよ。甘いもんならたっぷりあるぜ」
お前の好きな紅茶もな。ぴくりと反応した想い人に、鬼の風紀委員長と呼ばれる男は甘く目を緩めて赤い髪にキスを落とした。
長居してしまったことに自己嫌悪したのは一瞬で、チェシャ猫はあのお菓子美味しかったなあと先程食べたケーキを思い出し顔を緩める。自分の部屋の前まで来ると、一人の男が立っていた。爽やかそうな、人好きのする笑みを浮かべた男だ。
「あ、帰って来た」
「人の部屋の前で何やってるの?」
「何って、チェシャを待ってたに決まってるじゃん」
「あ、そう」
「冷たいなあ」
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